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立腰とは?

ここ最近(2021年11月)、初めて『立腰(りつよう)』という言葉を目にしました。
検索してみると『立腰教育』というものを、教育として幼稚園や学校が取り入れているところがあるとのこと。

さて、この立腰教育なるものが果たして身体構造的に適しているのか、否か。
一緒に考えてみましょう。

立腰 ≠ 骨盤を立てる

はじめて、『立腰』という言葉を目にしたときは、「立腰 = 骨盤を立てる」だと考えていましたが、
よくよく調べると私たちの考える『骨盤を立てる』という状態とは似ても似つかないものでした。

『立腰』を提唱した、教育哲学者である森信三氏は立腰の方法を以下のように述べているようです。

『腰骨を立てるには次の三段階を心して、
一、尻を思いきり後につき出すこと
二、反対に腰骨をウンと前へ突き出す
三、そして下腹に力を入れると、肩のキバリがスカッととれる
以上三つの点が大切です。』

とある。
姿勢の要は上の三点にしぼられている。
その他の留意点としては、
・ 足の裏で床をしっかりと踏む
・ 膝は90度になるように足の位置を置く。
・ 男子は膝の間にこぶしが一つか二つはいるように
・女子は割らない割りばしのようにぴたりとつける
こともつけ加えられる。

本田実:身心相即「立腰」.星稜論苑第47 号.

森信三氏の著書を読んだわけではないので、これ以上のことは現時点では分かりかねますが、身体構造的な観点からみると色々と問題が浮かび上がってきます。

実際に上記の『立腰』をやってみましょう。

一、尻を思いきり後につき出すこと
二、反対に腰骨をウンと前へ突き出す

このふたつで、相当強く腰のあたりに力が入るのが分かります。三の「下腹に力を入れる」で、腰にかかる負担を相殺しているようにも見えるのですが、あまりにも力が強く入りすぎる感覚があります。重い荷物を運ぶ場合など強い力を発揮する場合に、これくらい腰回りを締めなくてはいけない場合がありますが、普段の姿勢でこれほどまでに力を入れすぎる必要はありません。

また「腰骨をウンと前へ突き出す」と骨盤を強く前傾させるように力を入れることになるため、反り腰の原因ともなり、腰痛を引き起こすことにもつながります。

良い姿勢のコツは、
『骨の位置関係』を整えること

良い姿勢のコツは、骨の位置関係を整えること。
良い姿勢を筋肉の力感(力が入っている感覚)に頼ると、その力感のある筋肉にばかり力が入ってコリを引き起こすだけでなく、硬く動きにくい状態を引き起こします。

背中やお腹に力を入れすぎず、かといって抜きすぎない。
そんな骨盤の角度、骨の位置関係を作り上げることが重要だと私たちは考えています。

また、先程の引用にもあった膝は90度になるように足の位置を置く』という記述に根拠はないことを下の記事でも説明しました。

外見的な姿勢の良さ以上に、内観した時の姿勢の快適さを大切にしよう!

坐骨の良い位置に体重を載せることができるだけで、坐った姿勢は非常によくなります。
この状態から骨盤の上に楽に胸郭を載せ、
胸郭の上に楽に頭部を載せることができれば良いのです。

身体が丸く縮むような感覚があれば、頭頂を高く保つように意識し、
背中に力が入りすぎるようであれば、みぞおちを柔らかく保つように心がけましょう。

この感覚が当たり前になれば、無理に良い姿勢を作り上げようとしなくても、
「快適な姿勢=外見的にも良い姿勢」となっていきます。

腰よりもまずは『坐骨』から。

THE コツ チェアシリーズに坐骨をうまく感じながら坐れていると、自然と骨盤が立ち、下腹部から腰部にかけて適度な締まり感を感じることができます。この感覚を身につけることが、体幹部分を使いこなし、鍛えることにもつながるようになるのです。

THE コツ チェア使用風景

但し、どれだけいい姿勢であったとしても、その状態で全く動くことがないと力が入っている部分には負担がかかり、硬さ・痛みを感じることがあります

いい姿勢を保てていたとしても、力感・硬さ・痛みを感じる場合には、坐った状態でもモゾモゾ動いたり、姿勢を変えたり、崩したり、立ち上がったりして身体を適宜リセットさせましょう。いい姿勢は、その取り方さえ覚えれば良いものではなく、崩し方、身体の違和感の取り除き方も同時に身につけてはじめて意味をなすものです。

そんな姿勢の取り方と同時に姿勢に対する考え方をTHE コツ チェアシリーズを通して身につけてみてくださいね。

THE コツ™️ チェア
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THE コツ™️ ハイチェア
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THE コツ™️ ローチェア
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THE コツ™️ クッション
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