ガンシナーの上に重量物を載せて立ち、歩くことが側弯症の予防・改善に繋がるかもしれません。
その理由を、ガンシナーによって引き出される、重力方向の感覚、重心線への意識の観点から考えてみましょう。
『ガンシナー』は元々、頭上運搬のための道具でした。
(頭上運搬:頭の上に荷物を載せて運ぶこと)
わざわざ頭の上に荷物を載せるということは、両手では持ちきれないほど大きかったり、重かったりするものを長い距離を運んでいた可能性が高い。
では、なぜそのような荷物も頭の上でならば長距離を運ぶことができるのか?
それは荷物の重量を支える力を筋肉(筋力)に頼るのではなく、『骨』に頼ることができるからです。
手で荷物を持った場合、物の重量が身体の重心線上を通ることができません。必然的に肩から先には荷物を持つための筋力が必要となり、荷物が重たければ重たいほど、筋が疲労しやすく、長距離の移動には適しません。
ところが、頭の上に荷物を載せると、身体の重心線上に荷物を配置することが可能となります。
脚の骨・骨盤・背骨・頭蓋骨は本来重心線上に配置されており、この上に積み木を重ねるようにさらに追加して荷物を重ねることと同じなので、筋力に依存しない持ち運び方となるのです。
では、このように頭の上にうまくモノを載せれば、筋肉を全く使わないのかというとそうではありません。
背骨をはじめ、頭のてっぺんから足の裏まで身体を支えるすべての骨を重力線上に配置させるために全身全霊を注ぐように筋肉が働きます。
このときの筋肉の働き方としては、常に力を入れっぱなしにしてカラダを硬くするようなものではなく、
骨の配列を適切に保つために、絶えず全身の筋肉の on/off をタイミングよく繰り返して、骨の揺らぎを全体として受け流しながら、最小限の力でもっとも効率よく働くのです。
このような方法で身体を支えるために働くのが、最近よく耳にするようになった『インナーマッスル』ですね。
側弯症をはじめ、背骨の問題を抱えている方において、ガンシナーを利用して頭の上に重量物を載せ、
この重力方向の感覚、重心線への意識、そしてインナーマッスルの最適化することがその改善・予防に貢献するのかもしれない…
側弯症の原因はまだ明らかにされていない。
側弯症の原因は、医学的にもまだまだ解明されているとは言えず、まだまだ明確な治療法が確立されていない部分がありますが、この側弯症の中でも『機能性側弯』については姿勢を保つ方法に大きな原因があるのではないかと考えています。
※ 機能性側弯とは、背骨自体に原因はなく、背骨以外の原因を除去することにより軽減できる側弯症のこと。
背骨に問題を抱えている方では、
・重心線上に背骨を適切に配列させて身体を支えることができない
・重力方向の感覚が乏しい
といった傾向がみられます。
これらは側弯に限らず、猫背、反り腰を含む、背骨に問題を抱えたすべての方に共通する問題です。
前後左右どのような方向に背骨が歪むのかは、個々の特性、俗に言う『癖』の要素を多分に含んでいるのかもしれません。
これを修正するのに『ガンシナー』が非常に有効なのではないかと考えているのです。
背骨が歪んだままで頭の上にモノを載せても大丈夫なの?
側弯や、円背で背中が丸い状態で頭の上に重い荷物を置こうとすると、
その重みで余計に姿勢が崩れてしまうのではないかと心配になりませんでしたか?
この点については、以下のコツをしっかりと意識できていればほぼ解決できます。
まず、頭上の荷物の重さを感じない頭の位置を探してみましょう。
探すときのコツとしては、頭の上の荷物がなるべく高い位置にくるように姿勢を調整することです。
このような意識を持った上で姿勢を調整し、いつもよりも視線が高く感じられればOKです。
レントゲンなどでみた場合に、背骨の形状が綺麗にまっすぐになっていなかったとしても、
普段から背骨を長く感じながら生活できることで、今以上に彎曲が強まってしまうことを予防することができます。
逆に、どのように調整してもそのような感覚が得られない場合や、ガンシナーを使うと余計に姿勢が崩れてしまう場合は、一旦ガンシナーの使用をやめてみましょう。
意識や感覚を頼りにするだけでは、修正できないほどに歪みが強く、背骨に付随する筋肉などの軟部組織も硬くなってしまっている可能性があります。この場合には、これらの軟部組織に対する対処が必要な場合がありますので、専門的に対処してくれるところを訪れてみてください。
背骨の可動性をしっかりと確保した上で、まずは軽い負荷からガンシナーを利用した運動に取り組んでみましょう。
「一度使って試してみたいな」と思われた方は是非、購入をご検討ください。
ご購入くださった方だけにご視聴いただける、ガンシナーを利用したエクササイズの動画コンテンツもご用意しております。
いつか、この有効性をアカデミックな研究論文として世の中に報告できればいいなと考えています。