THE コツ™️ TOOLsで販売している【Laboo.】は、
踵[カカト]に重心位置を合わせて立てるようになることを、その使用目的の一つとしています。
踵の中でもなぜ特にくるぶしの真下にこだわるのか?
その理由をここで説明していきたいと思います。
ヒトの重心位置と重心線
まず重心位置と重心線、足圧中心について理解を深めましょう。
『重心位置』とは、そのまま身体の重さの中心となる位置のことです。
ヒトが立ったときの全身の重心は本来、骨盤内(仙骨の少し前あたり)に位置します。(図①)
『重心線』とは、上記の重心位置から地球の中心に向かってまっすぐ伸びる線のことです。この方向に重力がかかります。
『足圧中心』とは、専門的には床と身体との接触面に働く力の分布の中心点のことを言いますが、
大まかに上記の重心線が向かう線上にある足裏の位置と考えると良いかと思います。
身体の重心ですが、この左側の図の『全身』の中の一つの重心位置として考えるのではなく、
身体の構成する部分ごとの重心位置から重心線を引いて考えてみましょう(図②)。
これらの各パーツの重心線が、上下に配列する骨の中を通り抜け、一直線に連なっていると最小限の力で身体構造的に負担の少ない、「骨で立つ」と言われるような姿勢となります。踵骨から頭蓋骨まで、積み木を積み上げるように骨を配列させられている状態です。
逆に各パーツの重心位置がズレると、骨で支えることができない分を筋活動によって補うこととなります。(図③)
この筋活動が常に引き起こされる部分にコリが生じ、痛み・硬さ・だるさ等につながるのです。
上の③は俗に言う猫背に近い姿勢でしたが、次は反り腰姿勢の場合も考えてみましょう。
身体各部位の位置関係によって、身体への負担のかかり方はどのようにでも変わりうるのですが、この猫背・反り腰ともに大きく共通するのが、
・足関節(足首)よりも前に重心線が通りやすくなること
・踵よりも前方に足圧中心が位置しやすくなること
の2点です。
姿勢と筋活動の関係
『足関節(足首)よりも前に重心線が通りやすくなること』、『踵よりも前方に足圧中心が位置しやすくなること』の2点からまず何が起こるかというと、この姿勢で居続けることによってふくらはぎに過剰に力が入り続けてしまうということ。
※ふくらはぎの筋肉は、つま先立ちの時に働くのと同様に、つま先に体重が乗っているときにも働く筋肉です。
ふくらはぎに力が入りすぎた状態が続くと、『脚のむくみ』や『こむら返り』が起こりやすくなります。
そして、この状態のままで上記の猫背姿勢、反り腰姿勢となると、
【猫背姿勢】の場合、膝が曲がりやすく、曲がった膝がさらに曲がらないように太もも前に過剰に力が入りやすく、
【反り腰姿勢】の場合、『逆のくの字』になるように膝を過剰に伸ばしてしまい、これもまた太もも前に過剰に力を入れすぎてしまいやすいのです。
姿勢的な見た目は真逆でも、脚の力の入る場所は非常に似かよります。
この両方の姿勢で、お腹に力がうまく入らなくなるのも同じように似ていますね。
爪先への過荷重によって生じる問題
【猫背姿勢】の場合、太ももが外に捻れる(外旋)と同時に、つま先が外に向くことで外反母趾になりやすく、
【反り腰姿勢】の場合、太ももが内に捻れる(内旋)と同時に、膝下は逆に外に捻れつま先が外に向くことで外反母趾になりやすくなります。
どちらもつま先がまっすぐ前を向かず、外を向いてしまうことで、足指、前足部がうまく使えなくなるのです。
姿勢は真逆なのに、結果的な問題はこの点まで似てしまうのですね…。
ちなみに、つま先に体重を載せることが全てダメなのではありません。
その状態で居続けることが長時間・長期間続くことに問題があるのです。
このつま先に体重を載せすぎることによる問題を解消するためにも、踵で重心位置をコントロールする方法を身につける必要があるのです。
※筋肉にとって最も良い状態は、筋収縮のon/offが常に繰り返されることです。筋収縮が必要ない時にはしっかりとoffしないといけないのです。
踵に体重をのせて立つということは、つま先で踏ん張る筋肉の力を抜くことにつながります。
ではつま先に体重を乗せすぎないためにどうすれば良いのか?
簡単です、踵に体重を乗せて立つことができれば良いのです。
踵の中でも特に『くるぶしの真下』です。
くるぶしの真下は、足首の関節の真下でもあり、この部分に体重が載るスネがちょうど地面に垂直に立つため、足首周囲に過剰な筋収縮を強いることなく立ち続けることができるからなのです。
※これが冒頭での問いの答えです。
踵に体重をのせて立つ方法
ふくらはぎの力を抜く、最も簡単は方法はつま先での踏ん張りをやめることです。
つま先での踏ん張りをやめるためにも、
猫背姿勢や反り腰姿勢から引き起こされる脚の余計な捻れを解消するためにも、
踵に体重を乗せて立つ必要があるのです。
それでは、その状態で立つための手順をお伝えしましょう。
① 下腹部を地面に垂直に立てる
② ①の状態のまま、踵で踏んだLaboo.に圧がしっかりかかる位置まで下腹部・骨盤を後方へ引く。
※このとき足の指が自由に動く状態を一つの目安としましょう。
③ 頭のてっぺんを高く保つように意識する。
※高く保つのは『つむじの辺り』で、決しておでこを天井に向けたり、目線を上にあげたりしてはいけません。
④ みぞおちに軽く指を突き刺し、みぞおちが柔らかくなるように背中の力を抜く。
※みぞおちが柔らかくなるほどに、背中の力が抜けていきます。
くれぐれも、抜きすぎて頭頂が低くならないように注意しましょう。
③の状態はキープしたままです。
これで完成です。
いかがでしたか?
普段の姿勢と異なる感覚を覚えた方も多いのではないでしょうか?
日常的に良い姿勢を取ろうと頑張りすぎてしまっている人にとっては、「こんなに力を抜いてもいいの?」と思うくらいに頑張っている感覚がないと思います。それで大丈夫です。
もしも不安な場合は、この姿勢を全身鏡の前でとってみて、自分自身の姿を側面から鏡に映してみて下さい。
楽に力が抜けているのに、全身のパーツは自然と一直線に並び、姿勢良く見えるはずです。
今度は、いつものような姿勢をとってみて先程の姿勢とを比べてみて下さい。
よりその違いがわかりやすくなりますね。
※比べるのは見た目だけではなく、身体で感じている感覚も比べてみましょう。
Laboo.に上記のような方法で乗り続けることができると、良い姿勢を楽に保つことができるようになりますよ。
ぜひお試しくださいね。