ー根源からお金を問うこと ー

もしお金がマイナス利子のシステムのもとにおかれるならば、社会が実現した富はなるだけ長期的に価値が維持されるようなものに投資されるということです。これと対照的に、プラスの利子の場合には、より短期の利益をあげるものへの投資が優勢になります。良い例は日本の林業です。なぜ日本の森は死に、そしてそれが海の砂漠化といわれる磯焼けを引き起こすまでになっているのでしょうか。それはいまのお金のシステムだと、林業が割に合わないからです。木を切って売り払ったお金で別の短期的な利益を上げるものに投資した方が有利だからです。
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エジプトや欧州に旅行し、古代の遺跡や中世のカテドラルを見物したことのある人は多いことでしょう。数千年、数百年後の人間が見るに値するものがそこには残っています。いま、私たちは1000年後の人間の見るに耐えるものをつくりだしているでしょうか。20年たったら壊れるような住宅やビル、10年もつかどうかの自動車、すべては私たちの、利子の存在ゆえに短期的な利益をあげていかねばならない仕組みのなかで成立しています。息の長い価値あるものはつくられず、他方で、浪費の果てにゴミの山が吐き出されています。3000年後の考古学者は現代の都市にあった場所を発掘して何を見つけるというのでしょうか。
河邑厚徳+グループ現代 著:エンデの遺言ー根源からお金を問うことー.2011年
日本の森を、滋賀県の森を守るために私たちにできることをひとつずつ。
人にも、環境にも、社会にも負担を強いない。
誰か、何かの犠牲のもとに成り立つものではない。
100年経っても変わらないヒトの身体とそれを取り巻く環境との向き合い方を追求しながら、
『100年以上続く価値あるものづくり』を我々はTHE コツ™️ TOOLsを通して実現していきたいと思います。
THE コツ™️ TOOLs
堤 和也