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座面の形状とメリット・デメリット

姿勢を良くするため、快適に椅子に坐るため、様々な目的に応じて様々な椅子が現代まで開発されてきました。
なかでもその特徴として坐位姿勢に与える影響が大きいのが『座面』の形状。

座面がどのような状態になっているのかによって、カラダと姿勢に与える影響は大きく変化します。

『姿勢』と聞くと見た目のきれいさばかりが取り沙汰されますが、大切なのは
重力の存在する地球という環境下でどのような力が身体に加わり、それ対して身体はどのように筋肉を働かせて対応しているのか
という視点。

(姿勢が良さそうに見えて、姿勢にまつわる様々な不調を抱えている方は実は非常に多いのです。口にしないだけです。)

このページでは、座面の形状が与える影響を人体の骨構造と筋機能から物理的に考察したいと思います。

後方へ傾斜した座面

坐骨を支点に骨盤が後方へ傾く力が発生します。

このような椅子では、リラックスして坐ることを目的に、深く腰掛けて背もたれにもたれかかるように誘導されている椅子がほとんどかと思います。

深く腰掛けて背もたれにもたれかかっている場合は良いのですが、その状態から机などに向かって作業しようとすると、水平かつフラットな椅子に比べ、骨盤を前方へ傾ける力をより強く発揮しないといけないので疲れやすくなります。

また骨盤を前方に傾けずに作業姿勢を取ろうとすると背中が丸くなり猫背が強調されやすい椅子です。

ソファなどは基本このような座面の形状に近く、かつクッション性の高いものが多いですね。

このような姿勢でPC作業をしようものなら、すぐに肩・首にコリを感じることでしょう。

メリット

リラックスしやすい。
背もたれによりかかりやすい。
安楽姿勢を取りやすい。

デメリット

作業姿勢が取りにくい。
背中が丸くなりやすい。
頭部が前方に位置しやすい。
長時間坐ると腰痛・肩こりを引き起こしやすい。

前方へ傾斜した座面

坐骨を支点に骨盤が前方へ傾く力が発生します。

このような座面の椅子は姿勢を正すことを目的に作られている場合が多く、骨盤を物理的に前方へ傾けやすくすることで、骨盤が後方へ傾き背中が丸く猫背がちな不良姿勢を予防します。

一般的な椅子ではあまり見かけない形状です。

しかしこの前方へ傾く力が強かったり、このような力が持続的に働いたりすると、今度は逆に前方へ傾く身体をまっすぐに起こすために必要以上の力が必要となり、見た目の姿勢は良くなりやすいものの、座っていると背中が疲労しやすくなります

メリット

『見た目』の姿勢が良くなりやすい。
作業姿勢を取りやすい。
背中が丸くなりにくい。

デメリット

安楽姿勢が取りにくい。
背もたれによりかかりにくい。
反り腰になりやすい。
背中・腰が疲労しやすい。
身体が前方へ滑り落ちる感覚が生じる。

地面に水平で平らな座面

THE コツ™ TOOLsでもっとも推奨したいのがこれ。

傾斜した座面のような物理的な力を受けず、骨盤の傾きを自らの筋肉で自由にコントロールできます

メリット

座面と骨盤との関係性を認識しやすい。
骨盤の傾きを自らの筋肉で自由にコントロールできる。
安楽姿勢・作業姿勢のどちらも取ることができるので、状況に応じて姿勢を調整しやすい。

デメリット

適切な姿勢の取り方が身についていないと、個々の癖に応じて姿勢が崩れやすい。
適切な姿勢が取れてもクッション性が乏しいと坐骨が痛くなりやすい。

THE コツ™️ チェア
THE コツ™️ ハイチェア
THE コツ™️ ローチェア
THE コツ™️ クッション

中央部がくぼんだ座面

お尻・骨盤の形状に沿って、受けるように支えます。

坐る位置、坐り方があらかじめ決められていることが多いです。

メリット

坐骨が痛くなりにくい(かも)。

デメリット

坐る位置が決まっていると、姿勢を変えにくい。
くぼみの中央部に向かってお尻が落ちていく感覚が生じやすい。
くぼみの縁の部分で太ももを圧迫される場合がある。

トイレの洋式便座にも似た要素がありますね。

上方へ突き出した曲線の座面

座面の曲線と坐骨の曲線が点で接するように坐るので、お尻を置く位置によって骨盤に加わる力が様々に変化します。

メリット

坐骨を感じて坐りやすく、もっとも楽に姿勢良く坐れる坐骨の位置を見つけやすい。

デメリット

坐骨に圧がかかり、クッション性によっては坐骨に痛みが出やすい。
良い位置からずれると不安定になりやすい。

バランスボール

空気の入ったボールという性質上、クッション性だけでなくお尻に加わった圧に対する反発力も生まれやすいという特性があります。

バランボールを利用したトレーニングなどでは、この反発力をうまく利用して行うものが多いですね。

坐り方としては『上方へ突き出した曲線の座面』と概ね同様ですが、クッション性が高い分坐骨全体に圧がかかりやすくなります。

メリット

ボール上に坐って跳ねることによって、軸感覚を身につけやすい。

デメリット

ボールが転がってどこかへ移動してしまいやすい。
姿勢の崩れを予防できるわけではない。

なぜ骨盤の状態にこだわるのか?

それは、姿勢を作る土台である骨盤の状態で背骨の形状が大きく異なるから。

骨盤が後方へ傾けば、腰は丸くなり、
骨盤が前方へ傾けば、腰は反りやすくなるのです。

この点については、坐位姿勢も立位姿勢も同じです。

『骨盤』の感覚を取り戻そう!

あなたの身体の中にある骨盤という骨を見いだし、その動きを感じ取ってみましょう。

骨盤を適切に扱うことができると、姿勢だけでなく動きの質も高まりますよ。

坐位姿勢での骨盤感覚を取り戻すには、THE コツ™ チェア シリーズを。

骨盤の動きを股関節を通して適切にコントロールするにはLaboo.を。

さらに骨盤を使いこなすには、THE コツ™️ TRAININGをどうぞ。

カラダと姿勢・動きすべての質を高める
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